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東京書店員さん訪問記

2015/05/21

第1回:パルコブックセンター渋谷店の中澤佑さんを訪問  ~「棚」の世界は深かった!の巻~

突然ですが、今日からホームページで新しいコーナーが始まります!
題して、「東京書店員さん訪問記」。
私、MEKURU編集部の新人・小林が東京の書店にお邪魔し、書店員さんから日々のお仕事についてお話をうかがってくるというコーナーです。

 

皆さんにはお気に入りの書店はありますか?
ついつい長居をしてしまう書店、新しい刺激をくれる書店、不思議と心が落ち着く書店――。
私たちを惹きつける書店は、きっと、書店員さんたちのたゆまぬ努力と豊かなアイディアによってつくりあげられているのだと想像します。
私は書店へ足を運ぶたび、そんな裏側に迫ってみたいと思っていました。
とりわけ東京には個性豊かな書店がひしめきあっていて、おもしろそうです。

『MEKURU』はその名前のとおり、「紙の雑誌」であることがアイデンティティのひとつ。
当然のことながら、書店はなくてはならない場所であり、そこで働く書店員さんはパートナーといえるくらい大切な存在です。
そんな書店員さんの言葉を、MEKURU読者の皆さんに届けてみたい……!
むくむくと膨らませていた妄想を編集長とプロデューサーに打ち明けたところ、「いいじゃん、やってみなよ」と後押しされ、こうしてホームページで実現することとなった次第です。

本屋さんって、書店員さんの仕事って、おもしろい。
今日は本屋さんに寄って帰ろうかな。
読んでくださった方にそんなことを思ってもらえるようなページを目指して精進いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 

さて、第1回目に訪問した書店は、パルコブックセンター渋谷店さん。

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パルコブックセンター渋谷店

〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1
渋谷パルコpart1B1F
TEL 03-3477-8736
営業時間 10:00~21:00

 

宮藤官九郎さんを大特集した『MEKURU』の創刊号発売時、同じ建物の中にある「パルコ劇場」で、宮藤さんが作・演出を務めた舞台が上演されていたこともあり、売り場で『MEKURU』を猛烈プッシュしてくださいました。

ちなみに劇中で、三宅弘城さんと佐藤隆太さんが、パルコブックセンターさんに本を買いに行く映像が生中継ふうに流れる一幕があるのですが、そこで『MEKURU』の表紙の宮藤さんに落書きをするという嬉しいハプニング(?)も巻き起こるなど、『MEKURU』にとってはゆかりの深い書店です。

 

▼『MEKURU』創刊号発売時の華々しい売り場の様子

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▼現在は雑誌コーナーにてお取扱いいただいています!

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そんなパルコブックセンター渋谷店さんの中澤佑さんにお話をうかがいました。
まずは中澤さんのご紹介から。

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<プロフィール>
出身:神奈川
趣味:映画鑑賞、登山
好きな音楽:最近はオルガンのジャズをよく聴いています。
好きな映画:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
好きな東京のスポット:渋谷

 

趣味の登山は、5~6年前から始めたそう。
「登山って、本との親和性もあると思うんですよね。ものすごく文系に近い体育会系なものという気がするんです。ただ行って、帰ってくる、その間にいろいろ考えるっていうところが、文学的な感じがします」
山の解放感に加え、読書と同じように、じっくり考える時間を持てるところが心地良いんだとか。

そんな中澤さんに、本を売ることの難しさや、理想とする書店像など、書店員として日々感じていることを語っていただきました!

 

「書店員の大事な仕事のひとつは『棚の編集をする』ことです」

――中澤さんが書店員になられたきっかけは何だったんですか?
「大学卒業後は一度ほかの仕事に就いたんですが、その後、うちのお店とは別の本屋で働き始めました。子どもの頃から映画と本が好きで、いつかは映画館とか本屋さんで働いてみたいって思っていたんです」
――普段は、基本的にどんなお仕事をされているんでしょうか。
「書店員さんはみんな同じだと思うんですけど、基本的には『本を売る』ってことですね。本って、普通の商品と違ってものすごく種類がたくさんあって、毎日新刊が入ってくるので、それを一番売れそうな場所に置かなければならないんです。もちろん置けるスペースが限られているので、反対に外す商品を選んで、それを返品しなきゃいけないんですよね。そういう商品の入れ替えが一番大切な仕事だと思います」
――何を残すかっていうのは売れた数だけじゃなくて、やはりお客さんの行動も観察しながら判断していくものなんですか?
「そうですね。それがすごく難しくて。やっぱり単純に、売れてる本を残しておきたいっていうのはあるんですけど、その本が隣にあるからこっちの本が売れるっていうことが結構あるんですよ」
――あー、なるほど!
「『平積み』(表紙を上向きにして平たく積むこと)とか『面出し』(表紙が見えるように棚に置くこと)のほかに、『差し』(棚に差すこと)になってるものもありますよね。ああいうのも、『差し』になっているのがこの本だから、『平積み』や『面出し』されている本が売れるっていうこともあるんです。お客さんが、並んでる商品の全体をパッと見た瞬間、『これ買ってみようかな』と直感的に思うこともありますし。そういうテクニックみたいなものが無限にあるんですけど、正解がわからないので、難しいですね。よく『棚を編集する』って言うんですけど、書店員の大事な仕事のひとつは『編集をする』ってことですかね」
――深いですね! その編集をするには、お客さん目線でどんな棚にしたら良いかイメージすることも大切っていうことなんですね。
「そうですね。お客さんの目線で考えるには土地柄を考慮することも大事だと思うんですよね。渋谷だったら渋谷らしい品揃えっていうのが必要で、単にほかで売れてるからという理由で置いても、売れないっていうことが結構あるんです。うちのお店だと20~30代のおしゃれな雰囲気のお客様が多いので、そういういろんな情報にアンテナを張り巡らせているような方にフィットする本を置いています」

 

「やさしい場所というか、誰でも入れる空間っていうのが本屋のおもしろいところだなぁと思います」

――実際に働いてみて、それまで書店員さんに抱いていたイメージとのギャップってありましたか?
「相当ありましたね。書店員というのは本の知識をたくさん持ってる方だろうなというイメージがあって、それは確かにそうだったんですけど、さらに体力も必要というのはびっくりしました。最初に勤めた書店では雑誌を担当していたんですけど、雑誌って量がすごいんですよ。だから完全に肉体仕事で、腕とか太くなっちゃって。本屋さんで働き始めたのに、体格良くなっちゃったっていう(笑)」
――そうだったんですね(笑)。逆に、ポジティブな面での発見っていうのはありましたか?
「やっぱり、知らない本や雑誌をいろいろ知れたのは嬉しかったですね」
――それまでお客さんとして接していた数よりも、膨大な数に接するわけですもんね。
「膨大なんです。やってみてわかったことなんですけど、本屋さんってあらゆる人がターゲットなんですよね。もちろんお店によって違いはあるんですけど、基本的には、本っていうものは老若男女、いろんな人が読むものなので、あらゆる年齢層の人が来るんです。それがわかったときに、そういう小売業ってほかにあんまり無いんじゃないかなって思ったんですよ。例えば服屋さんだったら、そのブランドのターゲットの年齢層に向けた商品しか置いてないお店ってことになるじゃないですか」
――確かにそうですね。
「こういう、間口が広い小売業っていうのは、本屋だけじゃないかなぁって思うんですよね。僕自身、大学生の頃は、よく本屋で映画までの時間を潰したりしていたんですけど、そういうことができる場所だと思うんですよ。だから、やさしい場所というか、誰でも入れる空間っていうのが本屋のおもしろいところだなぁと思って。実際に働いてみて、そのことをさらに思いましたね」
――では、ご自分の中での本屋さんの理想像みたいなもののひとつには、「誰もが来やすい場所」というのがあるんでしょうか。
「難しいですけど、理想はそうですね。正直、いろんな人に来てもらって、買ってもらわなくてもいいかなって思います。まぁ、買ってほしいですけどね(笑)。あと、デートの場所として使ってほしいっていうのはありますね」
――例えばどんなふうにですか?
「カップルで来て、『こんな本、俺読んでるんだぜ』みたいなことを彼女に自慢するとか(笑)」
――(笑)そういうコミュニケーションがとれる場ってことですね。
「実際、カップルの方も結構いらっしゃるんですよ。それぞれちょっと離れたところで立ち読みしていて、何か気づいたことがあったら『ねぇねぇねぇ』って話し掛けに行ったり」
――あぁー、それ楽しそうですね!
「そういうの見てると、こう、いいなぁって(笑)」
――(笑)いい本屋の使い方だなぁと。
「そうです。ひとつの在り方だなぁって思います」
――なるほど。では最後に、パルコブックセンター渋谷店さんの一番自慢できるポイントを教えてください。
「ほかではちょっと無いような商品を、おもしろい打ち出し方で置いてる本屋だと思うので、飽きさせないというか、来て良かったなって思ってもらえると思うんですよね。そういう取り組みをがんばってやっているつもりなので、ぜひ来てほしいなと思います」

 

自慢できるポイントを尋ねると、迷うことなく即答してくださった中澤さん。
そのまっすぐな眼差しから、お店に対する自信をうかがい知ることができました。
では、その「ほかではちょっと無いような商品」や、「おもしろい打ち出し方」とは…?
店内で展開されていた取り組みを一部ご紹介いただきました。

 

▼レシピ本コーナー

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この本のレシピが全て作れるように、レシピで使用されている調味料もあわせて販売されています。
近所のスーパーでは手に入れることが難しそうな商品なので、書店でレシピ本と一緒にそろえられると、すごく便利ですよね。

 

▼バッグ販売コーナー

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海外の独立系書店オリジナルのトートバッグとエコバッグが販売されています。
いまや本以外のアイテムが買える書店も増えていますが、パルコブックセンター渋谷店さんはその先駆けなんだとか。

 

▼ギャラリースペース

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ジェームズ・マクニュー氏のイラスト集の発売を記念し、ドローイング展が行われていました。
洋書や写真集の品ぞろえがとても充実しているパルコブックセンター渋谷店さん。
アートに関心の高いお客さんが多く来店するお店ならではの取り組みです。

 

このほかにも取材時には、とある体験型アトラクションが設置されていました。
専用の本棚から自分の好きな本を3冊選んでセンサーにかざすと、未来の自分の診断結果と、おすすめの一冊が書かれたシートが出てくるというもの。
ゴールデンウィーク期間限定のイベントだったのですが、小さなお子さんにも喜ばれ、連日大盛況だったそうです。

パルコブックセンター渋谷店さんは、こうしたユニークな展開によって、中澤さんがおっしゃったように「やさしい場所」として、より多くの人に開かれた空間になっているように感じました。

 

【まとめ】

今回、お話をうかがって特に印象的だったのは、「棚を編集する」という言葉。
棚というのは、書店員さんのスキルとセンスが光る、とてもクリエイティブなスペースだったのです。

それ以来、書店へ行くと棚を隅々まで見ては、なぜこの本は「面出し」で、この本は「差し」なのか……などと考えを巡らすように。
そうして本を漁るうち、あるとき、最初に手にとった「面出し」の本の良さが、後から手にとった「差し」の本が比較対象となることで、より明確になったことがありました。
もっと正確に言うならば、自分の興味のあること、あるいは求めていた情報が何であったのかということがピンポイントで明らかになることで、より一層その本を買うことの価値を見出していくような感覚があったのです。
「なるほど、こういうことか」とうなるように感慨に浸るとともに、「棚」をとおして書店員さんのお仕事の奥深さを垣間見ることができたような気がしました。

このように、私たちと本との出会いの瞬間は、書店員さんのひとつひとつのお仕事に支えられているのですね。
次回はどんな新しい発見があるのか、楽しみでなりません!

 

【本日の手土産】

このコーナーの締めくくりは、訪問の際にお持ちした手土産のご紹介です。
編集部がある築地近辺のお店の中から、個人的に気になる一品をお持ちしようと思っています。

今回は、築地市場内に本店を構える「茂助だんご(もすけだんご)」さんのおだんごです!

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茂助だんご本店

〒104-0045
東京都中央区築地5-2-1(築地市場内 魚がし横町1号棟)
営業時間:午前5時~昼12時
(一部お菓子は13時まで販売)
ホームページ:http://www.fukumo.jp/index.html
※店舗は築地市場内のほか、築地市場外と松屋銀座にもあります。

 

築地のグルメガイドで必ずと言っていいほど紹介されている、名店中の名店。
味はこし餡、つぶ餡、醤油焼きの3種類。
噛むほどに素材のうまみが広がり、そのやさしい味わいに思わず「んふふ」と頬がほころぶおいしさです。
老舗の風格漂うパッケージも、手土産としてお相手に喜ばれるポイントかもしれません。

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